2011年1月4日火曜日

長期的な視点で考える。

大学時代のバドミントン部でもそうだったのだが、社会人になってからも後輩の悩みの相談相手になることが多い。心理学を専攻していたわけではないが、悩みというのは吐き出した時点で5割くらいは気持ちが楽になることが多いのではないかと思う。色んな理由があるかと思うが、とりあえず溜め込んでいたストレスからの解放と、人と共有し、かつ自分を認識してもらったという安心感等が気持ちを楽にしてくれるのではないかと思う。自分に相談しようと思って貰えることについては、光栄に感じている。勿論、自分も様々な問題を抱えている状態であり、身分不相応ではあるのだが、小さなことから大きな悩みまで先輩や友達に聞いてもらって、気持ちをリセットしながら今日まで生きてきた自分としては、相談相手になることが出来るなら、間接的な恩返しになるのではないかと思っている。悩みと一言で言っても様々で、十把ひとからげにするのは難しいが、今日はキャリアに関する悩みについて思うところを書こうと思う(ちなみに、ここでいうキャリアというのは選手としてだったり、ビジネスパーソンとしてだったりのプロフェッショナルのキャリアである)。若干唐突なトピックで恐縮だが、ここ数日思うところがあったので、書いてみることにした。

これまでの経験上、キャリアでの悩みとして典型的なものは3つなんじゃないかと思う。

①本質的にはやりたいのに辛いから、今の仕事はやりたくない、やめたい。
②明確にやりたいことがあるから、今の仕事はやりたくない、やめたい。
③明確にやりたいことがないが、今の仕事はやりたくない、やめたい。

実はこの中で①の人が一番幸せ。何故ならやりたいことが出来ているから。でもやりたいことをやっているという充実感以上に、重圧だったり、ストレスだったりを感じてしまっている。例えば試合でなかなか勝てない、独立したけどなかなか起動に乗らない、挫折を味わった時にこういう思考に陥る気がする。特にエリートと言われるような、どちらかというと高い確率で成功を掴んできたような人に多いのではなだろうか。こういう場合は、そういう阻害要因から自分の目標に目を向けなおすこと、何事もスムーズにいかないのだということを前提として取り組んでみることが大切だと思う。勿論、取り組んでみて最終的には駄目だったということになる可能性もあるが、「災い転じて・・」という結末を見ることが多かった。
実は一番深刻なのが②の人だと思う。例えば「チームの方針で仕方なくこのポジションに」とか「自分は〇〇がやりたいのに××をやれと言われて」とかそういう状況。これは個人としての絶対的な問題ではなく、組織という枠組みにおける個人の問題なので、①のケースのようにシンプルな解決が難しい。これは「スタメンを外される」とか「悪い人事評価を下される」「昇進出来ないかもしれない」と言った不安がアクションを取ることに対する阻害要因となっている。どんなにスキルフルであっても、それを生かす場がなければ宝の持ち腐れであり、適当な権限がないがためにそれを生かせないというのは非常に悲しいことであるので、自分にとっての本来の目的と折り合っていないようで、実はそう簡単に切り離せるものではないのが辛いところだ。まずは本当に自分にとって大事なことは何かを考え直す必要があると思う。どのポジションでもいいからスタメンで試合に出るとか、これは結局は妥協ではなくて、自分の目的というのを的確に捉えてなかったということになる。よくよく考えてみて、どうしても譲れないとなったら、それはどれだけ考えても目的の順序は入れ替わらないので、明確に意思表示をすべきだと思う。短期的には損失を蒙るかもしれない。ただ、方角を間違ったまま突き進むことにより、軌道修正はどんどん難しくなる。だから自分に正直になるのが大切だと思う。それはスタンスを変えたとしても変えなかったとしても。
一番不幸なのは③のケース。正直後輩だったら言語道断と切って捨ててしまいたくなるところだが、この場合はまず何がやりたいのかを考えようというところからスタートなのは言うまでも無い。それが見つかるまでは修行だと思って、頑張ってやってみる。逆に目標も何もないのに仕事を与えてもらえているだけ有り難いと思って、色々と学んでみる、とか、それでもやりたくないのなら別に辞めてブレークにならないから辞めることも勧めたりする。
①②のケースについて言えることだけど、長期的な視点で考えることが大事だと思う。短期的なストレスやプレッシャーから逃避しようとすると、なかなか幸せになることが出来ないと思う。今のストレスフルな状態は長くは続かないと考えるようになったり、失敗しても後で取り返すくらいの心意気を持つことが大切だと思う。と言っても、簡単に悩みは解決するもんでもないので、物事に対する取組も腰をすえて長期的に解決に向かって頑張るというスタンスが大事でもあるんだけどね。

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