2010年3月23日火曜日

豊かさって何だろうなぁ。

パリに来てびっくりしたのが、物乞いをする人の多さ。スラブ系と思しきスカーフを頭に巻いたおばさんがわんさか小銭を求めてじっと道端に座っている。皆、コップを片手に、決まってダンボールに「私はX歳で、子供がX人いて」みたいなことが書いてある。道端だけではなく、メトロに乗っていても、物乞いに出くわす。今日はスタバでコーヒーを飲んでいたら10歳かそこらの子供に「小銭くれ」と言われた(勿論丁重にお断りしたのだが)。
方や、パリオフィスの同僚達のクオリティオブライフの高さは本当に羨ましい限りと感じている。これから彼らは長期休暇のシーズンに突入する。殆どの人間は1ヶ月かそこらの休暇を取るのだ。日本では考えられないこと。1日の労働時間も日本に比べると相当に短い。残業だってそんなにしない。「いいなー、フランスはー」と言ったら、「どうせ私達って(日本のチームから)『怠けもの』と思われてるんでしょ?」と。そもそも社会制度自体が異なるのだから、仕方がないのだが、確かに日本人からしてみるとなかなか素直に受け入れにくいことは事実である。それが不評を買っているというのも事実ではある。また最近同僚の1人が妊娠したのだが、フランスでは産前産後は16週間賃金が100%保証されているらしい。日本では産前産後合計8週で確か60%だったような。また定期健診費用も出産費用も健康保険でフルカバーされるらしい。育児休業中の保障については定かではないけど、「日本は育児休業明けに復帰してから半年経過すれば、育児休業中の50%が支払われるよ。」と言ったら「Not that bad」と言っていたので、同じかそれよりちょっと多いくらいなのではと思われる。ということで、圧倒的に妊娠・出産・育児の経済的負担はフランスの方が軽い。街中で見かける光景と同僚の環境のアンバランス間は眩暈がしそうだ。フランスって豊かさの格差が相当激しい国だなぁと。
でも、ジニ係数で比較すると何故か日本とフランスは「0.278」と同じなのである(ルクセンブルク所得研究所によれば)。全くおかしな話だ。僕が見ているサンプルが偏っているのか、統計に何かミスがあるのかどちらかなのだろうけど、とりあえずジニ係数が一緒というのは納得がいかないなぁ・・。

が、日仏の格差というのは、統計にも現れている・・。

日本とフランスは1人あたりGDPはほぼ一緒(フランスが3万4208ドル、日本が3万4115ドル)。
でも年間労働時間が250時間くらい違う(フランスが1533時間で、日本が1785時間。韓国の2316時間という数字を見て、日本の方がまだまし!と思いたくなったが・・)
ということで、フランスの方が15%くらい働いている時間が短いのだ。

なるほど。実感どおりである(笑)

それにしても、これって生産性がフランスの方が約16%くらい高いということになる。
日本人の方が明らかに働いているのに、何か悔しいなぁ。収穫逓減ってことなんだろうか?そうかもしれない。

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