2010年7月13日火曜日

ユニクロ+グラミン

ユニクロがバングラデシュにてグラミン銀行と合弁会社を設立し、衣料品の企画・製造・販売を手掛けるソーシャルビジネスを立ち上げると発表した。グラミン銀行は企業と合弁でビジネスを立ち上げることに非常に積極的。これまでもフランスのダノンとグラミン・ダノンを、スウェーデンの通信キャリア・テレノールとグラミン・フォン、グラミン・テレコムなどを立ち上げ成功を収めている。
ただ、今回のユニクロとの合弁は何となく意味合いが違うように感じる。その理由は2つある。
1つ目はこれまでグラミン銀行が企業と組んできた事業は明らかにバングラデシュ国内に存在しなかった事業であり、社会問題に対するインパクトが大きかった。ダノンとのジョイントベンチャーでは、バングラデシュ国内の子供たちの深刻な栄養不足を解消するためにシャクティという栄養価の高い、かつ安価なドリンクを開発し、栄養改善と雇用創出という効果をもたらした。グラミンフォンでの取り組みも、農村部に情報インフラを敷衍しただけでなく、電話の管理者という雇用を創出し、大きなインパクト与えた。しかし、衣服というのはどうなのか。社会問題化しているのか。ファクトを調べたわけではないから何とも言えないけど、今まで見てきたインパクトに比べると大分弱いような気がする。
2つ目はバングラデシュの文化保護という観点に資するのかということ。グラミン銀行総裁のムハマド・ユヌスはいつもサロワカ・ミューズというバングラデシュの民族衣装をまとっている。それは彼のバングラデシュの文化に対する思いである、と彼の本で読んだことがある。ユニクロは、サロワカ・ミューズを製造、販売するのか?そんなことはないと思う。きっとカジュアルな服が巷にあふれるのだろう。でもそれでいいのか?そんなことムハマド・ユヌスがOKするのか?とも思う。ということで、今後どういう展開をしていくのかは気になるところ。
僕的には柳井さんとムハマド・ユヌス氏協同でバングラデシュの起業家支援のためのインキュベーション事業だったり、ベンチャーキャピタル事業を立ち上げてもらいたかったな。柳井さんは起業家育成に大変熱心な方だと思うし。

0 件のコメント:

コメントを投稿