2009年10月4日日曜日

ローマは1日にしてならず

2016年オリンピックの開催地がブラジル・リオデジャネイロに決まった。BRICsでは中国に続き2カ国目。ロシアはソチでの冬季五輪開催が決まっているので、取り残されたのはインド。ということで、彼らが五輪開催を目指すのもそう遠い将来ではないのでは?と思ったりする。もしかしたら2020年の招致レースに名乗りを上げるかもしれない。
さて、今回の招致レースでは、マドリード、シカゴ、東京、そして開催地となったリオによる争いとなった。大陸別の開催実績と世界の祭典という特性から同一地域での連続(または限りなく連続に近い開催)の回避ということを考えると圧倒的にリオ優位だと思っていた。ヨーロッパ、北米、東アジアではオリンピックの開催経験が既にある。これまでは経済的事情を理由に南半球での開催を回避する動きがあったかもしれないが、ブラジルの経済力はBRICsとして世界経済の牽引役と評されるほどで、特に問題は無いのだろう。文句無しだと思う。
今回、誠実に開催地が決まったのは評価できるのではないかと個人的には考えている。というのも、シカゴや東京などは直前になって大統領や首相をIOC総会に送り込み国としての意気込みを見せることで招致を呼び込もうとし、そのことに対してかなりの期待が寄せられたらしい。ただ、ブラジルのルラ大統領は招致活動を始めた当時から熱心に開催地視察やIOCへの対応を行っており、地道さが全然違う。真実はどうかは分からないが、そういった点が蔑にされなくてよかったと感じている。

勿論、治安の悪さは不安要素です。UNDOCの公表している殺人事件に関する統計データでは、人口10万人当たりの殺人事件発生数は30.8と非常に高いのが現実です。アメリカでも5.9、そして我々日本では0.5です。つまり、殺人事件発生率は日本の60倍です。ちょっと想像がつきません。地域にバラつきはあるかもしれないので、リオはそんなに高くないのかもしれませんが、外務省のホームページにもリオは要注意都市として邦人が遭遇した犯罪ケースが掲載されていたりと危機意識の低い日本人が今の状況で大挙して乗り込んでいったら、と思うと何となく危険な気がします。来年W杯が開催される南アフリカが69.0とブラジルの2倍なので、治安対策が成功を収めるか、は注視したいところです。開催側も参加側も参考になると思います。

とはいえ、日本の民主党政権同様、民主的なプロセスを経て決まったのだから、今度はリオ五輪が成功するように国際的なサポートを提供していくべきだと思います。僕も応援したいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿