25日のWall Street JournalにDanoneの新興国戦略に関する記事が掲載されていたので、思うところを1つ。
消費財メーカーの主戦場は先進国から新興国にシフトしつつある。Danoneではすでに新興国売上高が約40%に達している。マイクロファイナンスで2006年ノーベル平和賞を受賞したMuhamad Yunus氏と共同でバングラデシュにてGrameen Danoneという合弁を立ち上げ、僅か5セントのヨーグルトを開発・販売するなどDanoneは特に新興国の開拓に熱心な企業だと思う。新興国市場が魅力的なのは間違いないが、先進国に比べればリスクは当然のことながら高いし、先進国での戦い方から大きな転換が求められる。まず、新興国市場は分散しており、資源を一斉に投下できない。そのため、生産・物流などにおいてスケールメリットを享受するのが難しい。また流通チャネルが整備されておらず、パパママストアが未だに小売チャネルで圧倒的な割合を占めるため店頭での消費者接点を確保するだけでもかなりハードルが高い。その上、まだまだ所得水準は先進国の水準には到底及ばないのでその所得水準にあったプロダクトを開発する必要がある。この表を見てもらっても分るように、Danoneではわずか10セントを切るような商品をその国の消費者の経済力に合わせて開発・販売している。成長性にかけ投資を継続できるだけの資金力や先進国での安定的な収益源が無ければ、BOP市場で戦い続けるのは難しいのではないかと思う。日本メーカーはそもそも海外売上高比率が低く、日本市場依存度が高い。でもその日本市場は人口減に伴いシュリンクしていく一方。新興国で戦えるだけの体力を維持するためにも、ピラミッドの頂点で勝ち続けなければ。ヨーロッパ、アメリカ市場など成長は鈍化していてもある程度日本とマーケットストラクチャーが似ているエリアでビジネスを伸ばしておかないと厳しいなぁと思った。
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