2009年8月7日金曜日

力の偏在

気づいたら高校総体のバドミントンも最終日。

しかし男子個人戦の決勝カードはシングルスもダブルスも埼玉栄対決。少なくともシングルスの決勝には別の選手が勝ちあがると予想していた。それは選抜優勝の宮崎・日章学園の渡邊選手。しかし、なぜかベスト4にすら名前が無い。結果を見てみたら1回戦で棄権していた。Smash-netの森田氏のブログで知ったのだが、インフルエンザらしい。彼も無念だろうが、僕も残念で仕方がない。やはり同校決勝というのは、高校生活の総決算の大会にしては余りにも味気ない気がする。

NTT東日本の佐藤選手が上水中から関東第一に入学し、同校が一気にTier1の強豪にのし上がってから、同校決勝や高校3冠が何となく安っぽいものになってきたような気がする。僕の世代では大束真也が高校3冠を成し遂げたけど、同校対決ではなかった(確か決勝は両方とも上尾の平山選手)。1つ上で3冠候補の筆頭と言われた中西洋介(現ユニシス男子ヘッドコーチ)ですら3冠は阻まれた(ダブルスは常総学院の坂本・小島組が優勝)。2つ上の代では舛田圭太(現ナショナルチームコーチ)と大束忠司(現日体大男子チームコーチ)という圧倒的存在を誇るライバルが存在し、ナショナルチームではペアを組むも所属はお互い別々。そして、個人タイトルはお互いに分け合っている。その上の代はずっと全盛期の常総学院が席巻した時代が続いたが、3冠だっていけると言われた矢部・樋渡組ですら、シングルスはベスト4どまり(これは小島監督から「シングルスは勝たなくていいと言われたから」という説もあるけど)。そのまた昔を紐説けば、草津東・松浦進二と日川高校・松野修二なんていう伝説的なライバル関係だってあった。

要するに何が言いたいかというと、バドミントンに関わるものとして勢力の偏在は競技としての魅力を損なうのではないかということ。伝統校同士のライバル関係、ナショナルチームではペアを組むが、所属する学校はバラバラというコンテクストは、決勝カードをよりストーリーのある魅力あるものにしてくれる気がする。埼玉栄や関東第一のような強豪校が全国から優秀な選手を集め、地方で育った選手がなかなか地元に残らないという状況は、福島・富岡高校のエリート教育で一層その傾向を強めそうな気がする。おそらく今までの強豪校もより一層スカウティングに力を入れていくことになるだろうから。

だから、バドミントンで決して伝統的強豪とは言えない宮崎県から出てきた渡邊選手には期待していたので非常に残念。まだ選手生活は長いので、是非その後のキャリアで見返してもらいたいものである。そして、来年のインターハイでは渡邊選手に続く、エマージングな選手が出てくることを祈ってやまない。

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