2011年4月29日金曜日

最後の授業

春学期最後の授業が昨日終わった。
来週、再来週と期末試験があり、それが終われば1週間の休みを経て夏学期に突入する。

来週の期末試験に向けて勉強に本腰を入れたいところだが、NYは本当に「馬鹿」みたいに素晴らしい天気が続いていて、本当に学生の僕らをあざ笑うかのようだ。連日20度台後半にまで気温が上がって、外を散歩するだけでも相当に気持ちがいい。

2年生はあと2週間で卒業。要するに僕らもあと1年で卒業と思うと若干焦りが出てくる。夏はもう少し将来のことを考える時間を増やしたい。

アメリカの景気

アメリカの景気がなかなか回復軌道に乗らない。

先月発表された雇用統計が当初想定よりもかなり好調だったこともあり、WSJなどには「アメリカ経済復調の兆し」的な小躍りするような見出しの記事が踊った。最近、Dowも高値を更新し続けていてマーケットもそんな心理を反映しているかのようだった。そんな訳で、地震による日本経済に対する影響が不安視されており、そろそろ円安基調に乗るかなと思って手持ちの円を売って、ドルを買ったりしていた。S&Pが日本国債に対する見通しをネガティブに引き下げたことが象徴しているように日本経済に対する信頼感というのが揺らいでいる状況で、アメリカ経済が立ち直っているのであれば円安に振れない理由は無いと若干の確信もあった。
ただ、何故か円は81円〜82円で推移している。先日若干円安に振れたが、何故か円高に戻って行った。昨日発表の第一四半期GDP成長率が1.8%に鈍化したことにもあるようにまだまだ楽観視できない状況を抜け出せ切れていないからだろうか。失業者数も2月以来40万人を突破したということで、病み上がり状態はまだまだ続きそうな気配を感じさせるニュースもある。金利引き上げまではそれなりに時間がかかりそう。

にしても、バーナンキ。さすが不況研究の第一人者だけあって、常に渋い顔をしている。彼を見ているとなかなか景気が回復しそうな感じがしない(笑)アメリカの景気が戻ったら、今度は好景気の経済政策に強い議長が好まれるんだろうか。バーナンキどうなるんだろうね。

2011年4月21日木曜日

Country RiskとValuation

春学期も佳境にさしかかっている。再来週からFinalが始まるのでどの授業も「締め」に入りだした。未経験の領域だけにタフだが、最も学びが多いCorporate Financeの授業も同様に締めくくりに入り、先週から授業で毎回フルバリュエーションをやっているため準備がとにかく大変。今日のケースは初めてのアメリカ国外のケース。しかも舞台はアルゼンチン。2002年に実際に起こったFrance TelecomからのTelecom Argentinaの50%株式(持ち株会社経由)に対する125mUSDのEquity投資がテーマだった。これまではアメリカ企業のバリュエーションだったため、マクロ経済の動向(為替、金利、インフレなど)などのノイズは殆どなかったが、そもそもEquity投資のタイミングが2002年とアルゼンチンが国債の債務不履行を宣言したばかりという金融市場が混乱している状況という全く異なるシチュエーションだったのでこれまで以上に準備に時間がかかった。特に難しかったのが資本コスト(WACC)の計算。メキシコ、ブラジルなど近隣諸国の類似企業のベータを参考値にβeを算出することを試みたが、そもそも国を跨いでβeを参考値として使う場合、βe自体は派生元のCountry Riskだけを含むから、国を跨ぐ場合はAdjustしないといけないと思っていた。結局βeをそのまま使い、Equity Costを計算。今回のようにβeを補正しなかったり、その他にはMRPで補正するとか、Risk Free Rateで補正するとか複数のEquity Cost計算方法があるらしく、奥が深いと思った。学校でやっているのが超簡単なケースだと思うと、仕事になったら大変なんだろうなと思う。ただ、ここまで来ると実際の実務経験が無いとなかなか授業で深みのある発言が出来なくなるので、自分の貢献度は大分下がっている気がする。楽しいけど、難しい。。

2011年4月14日木曜日

Going forward + Relecting backward = Maximization of the school life

NYに来てから早いもので4ヶ月が経とうしている。ビジネススクールの素晴らしい友人達、てんこ盛りの宿題をプレゼントしてくれるファカルティ、そして幅広い分野で多様な機会を提供してくれる学校、また、本当にエキサイティングな街NYのお陰で何とか楽しく生き残っている。これだけの期間日本を離れて生活するのは初めてだが、ここまで来れたのも本当に色々な人に助けてもらったお陰だと思う。ここ最近はJBAの活動や、キャリア関連のイベントも増えてきたため、忙しさのギアが一段上がったため、どちらかというととにかく突っ走っているような状態。でもあと1ヶ月もしないうちに卒業していく2年生を見て、少し焦りがでてきた。突っ走っている時間というのはアドレナリンが出ているのかそれはそれで楽しいが、少し立ち止まって考えなければ、と。なぜなら、自分の学生生活は残り1年ほどしか無く、とにかくがむしゃらに突っ走って行くだけじゃなく、自分の軌跡を振り返りながら、ビジネススクールでの「気づき」を材料に、ある程度自分なりの戦略を立てて今後を見据えて行動していかないと、もしかしたら全然意図しないところに行ってしまうかもしれない。

楽しい(そう)と感じたこと、
つまらない(そう)と感じたこと、
嬉しいと感じたこと、
悲しいと感じたこと、
大したこと無い(さそう)と感じたこと、
やっぱり向いてない(さそう)と感じたこと、
意外に出来るじゃん(そう)と感じたこと、
成長出来たと感じたこと

リスクが無い分、仕事と比べるとかなり冒険的になれ、色々なことにチャレンジ出来るのはビジネススクールのいいところだと思う。その分気付きも多いし、4ヶ月という期間の体験を集積していけばとてつもない気づきになる。これら色んな気付きを纏めて、多少は振り返りながら軌道修正しつつ、その後のキャリアのことも真剣に考えて行こうと思う。

NYにも春が来たようで、連日、15度近くまで最高気温が上がる。レストランのテラス席で友人と食事を楽しむニューヨーカーが街角に活気をもたらしてくれている。まるで1ヶ月前とは全く別の街のような活気だ。寒さが厳しかった時は、NYが嫌いになりかけたが、最近はむしろ好きになってきた。ちょっと学校に疲れたら、少し街を歩いてみれば、何となく学校のことを忘れて気分転換出来る。これって本当にNYの強みだなと思う。

外の空気が心地よくて、気持ちいいわ。

2011年4月6日水曜日

Little Field

コア科目にOperations Management(OM)というオペレーションの授業がある。なかなかマーケティングの授業では日本企業が取り上げられることも少ないのだが、この授業では日本企業のケースが盛り沢山に出てくる。既に5回の授業を消化したが、東芝やトヨタなどがオペレーションのお手本として出てくるのだから、日本人としては心地良い。これからビジネススクールに行く方、是非トヨタ生産方式については勉強しておいた方がいいです。ただ僕の場合は必死こいて一夜漬けしたのに、あんまり話させて貰えなくて無駄骨に終わりましたが、オペレーション系は最も日本人が貢献出来る領域だと思う。

今そのOMの授業の一環で、シュミレーションゲームをやっている。

舞台設定は結構マニアックだが、シュミレーション自体は単純。

血液検査の受託業者。

病院から検査を委託し、サプライヤから検査キットを調達して、自社の検査プロセスを経て、病院に検査結果を通知するというのが大まかなオペレーション。
病院に対して提示する納期によって価格が異なり(1週間なら750ドル、1日なら1000ドル)、納期をミスると顧客からの支払いが逓減していく。
検査キットの基準在庫は設定を変えることが出来るが、調達しても、1週間在庫として滞留すると廃棄しないといけない。オーダーは週バッチ。
キャパシティは検査装置を増やすことで増強可能だが、そのためには結構な額の投資が必要。

ということで、チーム対抗で一番多く儲けたチームが勝ち、という単純明快なゲーム。別に1位になったからといって評価されるわけでも何でも無いのだが、そこは負けず嫌いの集まりということで、どのチームもそれなりに必死に在庫過多/過小やリードタイムなんかを分析し、顧客提示するリードタイムを短縮する(価格上げる)べきか、キャパ増強すべきか、何かの意思決定をしながらゲームを進めて行く。

とりあえず我がチームは上位集団殿についている感じで、今後の需要増に備えてキャパ増強の投資をし、見積もりリードタイムも1日に設定したたばかりである。明日くらいには1位かな(笑)

2011年4月1日金曜日

Boston

今、Bostonにいる。Harvard Kennedy Schoolに在学中の友人に会いに来た。

Bostonに来るのは7年ぶり。Bosotn、特にHarvardのあるCambridgeはNew Yorkとは違い、非常に歴史を感じさせる、そして何よりアットホームな雰囲気がいい。生まれ育った国立の町並みが日本で一番だと思っている人間としては、郷愁の念を感じてしまう。国立も一橋大学があり、国立音大があったりと、大学が集まっていて、あのアカデミックな空気が僕は非常に好き。勿論、Harvard周辺の方が歴史と荘厳さは比べ物にならない程だが、その空気に何かしらの共通点を感じる。雰囲気だけだったら住むのはBostonかな。

しかし、もう4月だというのに、雪が降っていて、非常に寒い。今日は最高気温3度。New Yorkでも最近は10度近くまで上がって来ているので、何だか12月のNew Yorkに戻ったような気分。寒さには割と耐性がある方だと思っていたが、New Yorkの寒さでもこりごりしていたので、実際にここに住むとなると自分はかなりの引きこもりになりそうな気がする(笑)

友人は夜までカンファレンスと食事会で忙しくしているので、Harvardのカフェで宿題やりながら暇つぶししようと思う。寒くなければ、出歩くのに・・。